Njan Prakashan (Malayalam- 2018) を川口スキップシティで。
プレビューを書いていたのでもう筋はだいたい読めてたし、そうじゃなくてもサティヤン・アンティッカードならこう来るだろうというのは予測できた。利己的で甘えた若者がイニシエーションを経て社会の中での立ち位置を自覚して大人になる、というストーリーの一番の問題は、インド映画の場合「利己的」の度が過ぎて、壊れた奴にしか見えず(しかし現地観客の多くは、こんな奴いるいる!と言って平気なのだ)、全く感情移入できないという点。その壊れっぷりを散々見せられた後で、最後の改心に納得して、カタルシスを感じられるかは本当に分からないのだ。だからこそ、多くのインド映画では悪人は悪人のまま惨たらしく殺されるのかなどとも思ったり。しかし、クライマックスは本当に凡庸な、5マイル先から見えているようなものであるにも関わらず、やっぱりほだされるのだ、これはもうファハドの芝居力に感服するしかない。あんなプロットで納得しちまう自分が癪に障るのだが仕方ない、ファハドと芸達者脇役たちの底力ってやつなのだと思う。あと、リアリティあるベンガル人も。