Nandanar (Tamil - 1942)をYTで。超杜撰な英語字幕付き。
先日のSarvam Thaala Mayam上映の際の監督QAでインスピレーションの源を問われた監督がナンダナールのディヴォーショナルソングを上げていたので、早速見てみた。ナンダナールはサイレント期から始まり何度か映画化されているので、これが監督の言うものだったかどうかは分からないのだが、1942年のこれが最も成功した一作だったという。ストーリーは単純で、パライヤに属するナンダンが、同胞たちのカルッパサーミ信仰には目もくれず、シヴァ神だけを崇め、身の程知らずを咎めるバラモンの地主を神の奇跡によって改心させ、ついに念願かないチダンバラム寺院ニューウェーブ赴き本尊の踊るシヴァ神を参拝するというもの。この時代のものだから、不可触民の土俗的信仰は徹底的に否定される。肉食、飲酒、鳴り物、憑依、動物供儀、ダップを主にした陶酔的な音楽などがその特徴とされ、微かな仄めかしとして性的な放縦も描かれる。サンスクリタイゼーションという言葉が発明される以前に、その概念の完璧なサンプルが示されている。カルッパサーミ映画を見なくては。