Magalir Mattum (Tamil - 2017) をHeroTalkiesで。
タミル映画にとって2017年は振り返るとフェミニズム的傾向の強い年だったらしい。1994年の同名作は女性中心のソーシャルの先駆けみたいなものだったが、大団円のところで、それまでのカッコいい展開が腰砕けになってしまう残念賞だった。2017年の本作もストーリーラインは全く異なるながらその腰砕け感があった。登場人物を20前後の女性から孫もいるような主婦たちに変え、その困難な現実をリアリスティックに描いた。しかし落としどころに困ってフェアリーテール的なリアリティ・ショー(変な言い方だ)に落とし込んでしまったのには感心しない。「若い世代」の狂言回しとして登場するジョーティカーは、未婚という設定だが、伝統的な「乙女」像からかけ離れた図太い存在感がいい。3熟女も、現実の同年代女性と比較したらやはり華がある。結果的にお気楽作品だったが、女性が自分の意思を通すと大流血の惨事が起きるというストーリーラインを数多く見ているので、楽しい逃避旅行の次の瞬間に惨事が起きるのではないかと気が気じゃなく、変な緊張感があった。