TIFF「ヴィクラムとヴェーダ (Vikram Vedha)」(Tamil - 2017)を六本木TOHOシネマズで。
最初に文句から。字幕のレベルが低い。タミル語専門家の校閲を受けていないことが明らか。それからbucksを単純にドルと訳したりするあたり。どう考えたってルピーだぜ。天下の東京国際がどうしたのか。あと、字幕投影技術協力として文化庁がクレジットされていた。DCPに後付けで別プロジェクターの日本語字幕を投影したのか。映画自体はスタイリッシュなオッさんの揉み合いと哲学的問いかけの融合で言うことなし。劇中にMullai Nagar, MKB Nagarというスラムっぽい団地の名前が挙がるのだが、これが何と実在しており、いずれもフォート地区よりも北。つまり北チェンナイもの、さらに言えばダリト・コロニーものということになるか。団地の壁には何やら人物の巨大ポートレイトが書かれているシーンもあり、『Madras』と共通の背景であると考えられる。それほど高層でもない団地を上空から捉えたショットの不気味な美しさが印象的だった。