Velaikkaran (Tamil/2017)をオンラインで。
タイトルは「労働者」。北チェンナイらしいスラム出身者が主人公で、バリバリのコミュニスト映画。タップヤーッタムから始まり赤旗ソングで終わる。暴力団に入るほかないスラムの若者の生態を描き、そこからホワイトカラー職に就いた若者が見た食品業界の不敗状況。スラムで睨みをきかせるヤクザも結局はホワイトカラーの手足となっていることが示される。全体としては説教・演説映画で感心しないし退屈したが、そして抗議する女性のエピソードやリードペアのロマンスのくだりの安易さなど安っぽいが、個々の断片に見どころはあった。一生涯縁がないと知っている高級車に傷をつける少年の心理。労働者を騙すより、同じ人間を消費者として騙す方が商売がうまくいく仕組み。労働者が別の労働者を騙して不要な出費をさせるエピソード。つつましく暮らしているはずの家計がなぜか妙な出費により毎月追い詰められてしまう不思議さ。抗議の文言を一切提示しなくとも、工場労働者が示し合わせて白い肩布をつけて勤務すればそれだけで資本家を不安がらせることができる、など。しかしSKはスラム住人には見えない。