To Let (Tamil/2018)をオンラインで。
90分ほどのアート映画。チェンナイで暮らすヒンドゥー+クリスチャンの異教徒カップル(つまり親の反対を押し切っての駆け落ち婚)とその1人息子。すぐ止まるバイクと、通信が途絶えがちなガラケー。夫はIT技術者になる道を捨て映画界で浮上しようとしている。妻は専業主婦。トイレがすぐ詰まるような安普請のアパートに住むが、2階にいる大家から問答無用の立ち退きを通告される。男はバイクで移転先を探し回るが、菜食主義者限定だったり、高すぎたりで、好物件が見つからない。冒頭テロップにあるようにチェンナイのIT産業活性化により全国から技術者が集まり、懐具合のいい彼らのせいで家賃が高騰し、なおかつ供給が不足する事態になっている。皮肉にも、同じ価格帯の物件であってもIT技術者と名乗れば借りやすくなるということで男は知人のものだという名刺を使って契約にこぎつけるが、最後にバレる。脚本を売ろうとしても買い手がない男が、アクション映画のモブの呻き声の吹き替えをやるとまとまった金が手に入るという皮肉。家財道具一切を残して元の家を去るというのはせめてもの意趣返しなのか。