55 (Hindi - 2020/2025)を試写で。
邦題は『55/FIFTY FIVE 番号で呼ばれた少年』。ムンバイのスラムに住み、主に駅や列車内でチームワークで掏りを行う少年たち。彼らはいずれも幼少期に家族を失い、名前もなく番号で呼ばれる。仕事でしくじれば容赦のない懲罰が行われる。元締めのサーガル親分は何かと英語で演説をする。最後の締めの演説はチェーホフの『賭け』から持ってきている。実は彼はかつて有能な英語教師だったが、身に覚えのない罪を着せられ社会から追放された男だった。少年グループの中の55番は最も有能な掏りだったが、ある日銀行からおろした大金を抱え込んだ男から易々と奪った結果、娘の結婚持参金を失ったその男は鉄道自殺をしてしまう。残されたその娘への償いのために、55番は群れから離れた行動をとるようになっていく。マリーンドライブ、スラムの情景や、犯罪者集団、そこからの足抜けの困難、ローンシャーク、娼館の女たち等々、『サラーム・ボンベイ』からこっちのインド映画ムンバイもので何度も見て来たイメージとプロットの集積だが、魔法の糸をスッと引き抜くようなラストのまとめ方は上手いと思った。