Balan: The Boy (Malayalam/2026)をオンラインで。
現存しない1938年の『Balan』(初のトーキー)に対する何らかのトリビュートだと予想していたが、同作の筋書きは邪悪な継母と無垢な孤児という断片しかわかっていないらしい。本作は子供の視点の物語でありながら、世界の無常さや暴力性、ダメな大人のダメぶりが容赦なく描かれる。出身地も正確には不明な母と息子は、名前や居場所を常に変えているため、宗教の帰属も分からない。他の人間へのアタッチメントを拒むため、他人との距離が縮まると敵対的な環境ではなくとも逃げ出さざるを得ない。そんな親子が偽の身分証を手に入れて、辺鄙な一軒家で暮らす老女の住み込み手伝いとなったところで、厄介ごとが持ち上がり離れ離れとなり、子供はマンガロールに流れ着いてやくざ者の手下となって成長する。出腹のゴロツキというトヴィノの役はチェンバン・ヴィノードあたりがハマったのではとも思うが、客寄せのためには必要だったか。子役はどちらも素晴らしい。ラストの種明かしだけはちょっと無理があるように感じたがどうか。ラール・ジュニアの悪役その他のキャストももぴったり。