Esthappan (Malayalam/1979)をYTで。
浜辺のラテンクリスチャン(シリア派説もある)が多くを占める漁師の村。村はずれの狂人めいたエスタッパンは、常に振り香炉を持ち歩き、漁には参加せず、しかし村人からは曖昧に何となく存在を容認されている。初登場シーンでは壁に聖画を描いている。時には警句めいた詩を口にする。泥棒の身代わりになったり、海に向かって一直線に歩み去ったり、病気の子供に手で触れて直したり。投げつけられた石礫を食べ物にして投げ返したり、進行するにつれてその行いにイエスの行った奇跡が混じる。撮影はシャージ・N・カルン。本来のフィルムが美麗なものだったことは想像できる。またSNKが後年『Kutty Srank』を撮った時のインスピレーションの源泉が本作だったことも容易に想像できる。ラージャン・カーッカナーダンは文学者・画家で、プロの俳優ではないらしいが、無垢の佇まいが素晴らしい。チャヴィットゥナーダガムのシーンは間違いなく本作の白眉だけれど、その演目が何なのかがはっきりしないのが残念。これも『Kummatty』と同じく、黒魔術映画の一つとして考えていいものかどうか。