『佐藤忠男、映画の旅』(2025)を下高井戸シネマで。
2022年に没した佐藤忠男の最晩年を取材し、死の15日前までの姿を収めた。ゆかりの人々を訪ね、日本、韓国、インドで談話を取り、佐藤の最愛の映画『魔法使いのおじいさん』の映像を散りばめ、関係者を追い、ロケ地まで訪れた。日本映画から出発し、「チャンバラに興奮し、母ものに涙する自分を受け入れる」という視点を取り入れ、面白さの分析した佐藤は、1980年代にアジア映画を「発見」し、1991年からアジアフォーカス福岡国際映画祭のディレクターとなるが、2006年に辞任。同映画祭は2020年に第30回で終了した。福岡でその遺志を継いで映画祭を立ち上げた人物が唐突に画面に出たが覚えきれなかった。アジア映画開拓者となってからはアート一直線だったか。ケーララのパートが明らかにハイライトで、ゴーパーラクリシュナン、シャージ・N・カルンのほか、シンガーのカーヴァーラム・シュリークマール(労働歌の誕生を説明するシーンがいい)、元子役のアショーク・ウンニクリシュナンが語る。圧巻は「愛好家」という肩書の人物(名前が覚えきれず)がかつての子役たちを集合させたところ。