Trance (Malayalam/2020)をオンラインで。
ストーリーとしてはGod for Sale (Malayalam/2013)を思わせるところがある。斬新なのは集金装置と化した新興宗教に薬物依存、あるいは投薬拒否などを組み合わせてサイケデリックなドラマにしたこと。ナーガルコーイルで精神を病んだ弟を支えて自己啓発セミナー講師をやっている男が、ムンバイの闇ビジネスにリクルートされ、コッチを本拠地とするキリスト教系新興宗教の教祖に仕立て上げられるという話。自身が霊感ビジネスの餌食にされそうな男が、逆に搾取する側に回るというのがある意味痛快。本国では案外不評だったというが、こんなファハド・ショーを見せつけられて星3つで済ませる評者が分からない。脅迫的なオブセッションに抗う青年・狂信的な伝道師・鋭利な青年実業家を演じ分けて目を離すことをさせない。悪役のチェンバン・ヴィノードとガウタム・メーナンも無駄にカッコいい。『ウスタード・ホテル』から8年もアンワル・ラシードは何していたのかとも思ったが、あの頃のお洒落番長っぽいノリも思い出してちょっと懐かしくなった。ラストはどこからが幻覚なのか。