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Hridayam (Malayalam/2022)をオンラインで。 

172分の長尺、2日に分けて観た。全15曲もあり、サントラは約45分の音楽映画でもある。まず前半だけ見た時点での感想。ヴィニート・シュリーニヴァーサン監督作と知らずに見てたけど、ヴィニートが監督として随分成長していた。同じ若者のロマンスを描いていても、昔の悟り澄ましたような頭でっかち青臭ロマンティシズムから脱皮して、暗部もきちんと描けるようになってる。久しぶりに見たプラナヴも大変良い。どこにでもいそうなトッぽいニイちゃんなんだけど、名状しがたい趣きがある。薄っすらとラクシト・シェッティに似てるけど、より柔らかな何かを持ってる。32歳にして本格デビューから4作目。スーパースターの息子の特権を、お膳立てされた鳴物入りヒーローデビューではなく、いい脚本に会うまで待つ時間や、メディアシャイを通すことに使っている。前半ヒロインのダルシャナ・ラージェーンドランもいい。ボリウッド型ケバ系美女の制度的綺麗どころとしてのワンパターンから完全に自由。ヒシャーム・アブドゥル・ワハーブの音楽もいい。カレーシュ・ラーマナンド演じるセルヴァのキャラ

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は作為が感じられるが、立ち直りの契機としてはそれなりの説得力があった。それにしてもモーハンラール、プリヤダルシャン、シュリーニヴァーサンの子供達の映画を見て楽しむことになろうとは。/最後まで見ての感想。いわゆるComing of Ageもので、複数の恋愛経験で初めて大人の男女が完成するというAutographやPremamの系譜。さらにBad Girlや’96の要素もある。芝居の上ではダルシャナ・ラージェーンドランに一番の見せ場。カリヤーニは、やや型にはまったキャラクターで、後半に登場してかなり早回しの中で演技させられていたような感じ。後半の社会人編ではヴィニート監督らしい綺麗事の御伽噺がやや目立った。プラナヴの演じるアルンは前半で「ストーカーなどしない、正面から挑む」と新世代の言明をするが、それでも相手を裏切る行動をしてしまう。それにより愛を失い、手痛い経験から学んで成長する。その辺のリアリティーがとても良い。音楽は、ムスリムのMDなのにカルナーティック風味が随所にあるのが珍しく、ところどころにアラビックなテイストも。

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