Yuddhakaanda Chapter 2 (Kannada/2025)をオンラインで。
6歳の少女が地元政治家の弟で麻薬常習者の男に攫われ、レイプされたうえで放置され、瀕死の状態で発見される。少女はその後2年も昏睡状態になる。聞き込み調査により男は容疑者として拘束されるが、裁判は遅々として進まない。軍人の未亡人である母親は何度目かの閉廷のあと、裁判所敷地内でそばにいた警察官から奪った銃で保釈中の男に向かい発砲して死に至らせる。目撃者多数の白昼の出来事でオープン&シャット・ケースと言われる事案に、法科大を出たばかりの男が立ち向かうという物語。基本的なテーマは裁判の異様なほどの遅さに対する異議申し立てなのだが、そこにバガヴァット・ギーターを持ってきた。最終弁論にクリシュナのセリフが重なり、瞳孔が開いた状態の弁護士がサンスクリット語を口にする。そして裁判で争われるのは最もセンセーショナルな幼女への性犯罪への復讐。母の行ったことの責任能力の有無が問われるが、主人公の弁論は情に訴えすぎる点が多いように思えた。プレ・エピソードとして追突事件で彼が裁判長の家庭事情を利用して勝訴を勝ち取るのと同じ。
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アメリカの司法ものなどにある、「法廷はあくまでも法というルールにのっとったゲームの場、うまくゲームをしたものが勝つが、良心に照らしての正義は時には別のところにあり、最終的には神が審判を下す」という発想は逆によくわかる。本作での敵対側の弁護士の考え方がこれに近いものを感じた。もちろんインドの場合、これが野放図に適用されると弱肉強食になってしまうからこそ、一発逆転プロットが好まれるわけだが。だからと言って、弱い側につく法曹家をダイレクトにクリシュナ審にしてしまうのはどうか。