フォロー

Ee.Ma.Yau. (Malayalam/2018)をDVDで。 

前回見た時よりも背景が分かってきた。舞台はコッチ南郊のチェッラーナム漁村。エラナークラムから20km。この地域の労働者はプラヤ・カーストが多く、16世紀以降ラテン・カトリックに改宗した者も多い。劇中で島の連中と呼ばる島はKakkathuruthuか、あるいはヴァイッピンか。そしてポルトガルの影響下でラテン・カトリックの間で発達したのがチャヴィットナーダガムだと。不穏で何やら霊的なものまで感じさせる曇天・あるいは驟雨の中で物語は進む。リジョー印の一つである周辺的な人々の無駄口はかなり抑え目で、篩に残ったものは効果的。父を亡くした男が葬儀のあれこれのトラブルに見舞われ自制心を失っていく物語には、どうしてもソール・ベローの『この日をつかめ』を思い出してしまう。周囲の人々の立ちすぎキャラも申し分なく、「集団的熱狂と個人の精神状態の共鳴」という、次作にもつづくテーマが追求されている。陋屋の内外を行き来する長回しも効果的。葬儀とは生き残った者が納得するために行うもので、生を全うした故人はそれと無関係に安息が訪れるというのがテーマか。

ログインして会話に参加
映画ドン-映画ファン、映画業界で働く方の為の日本初のマストドンです。

映画好きの為のマストドン、それが「映画ドン」です! 好きな映画について思いを巡らす時間は、素敵な時間ですよね。