Kadha Innuvare (Malayalam/2024)をオンラインで。
評判が悪いのは知っていてもBM主演ということで観た。しかしテルグのオリジナルでは鮮明だったダリト性がほぼ覆い隠され、階級格差(第一、四期)、宗教的不寛容(第二期)とミソジニー(第一、三期)、中高年の恋愛への強い忌避(第四期)が前面に出る。ケーララにはダリト差別はないとでも言いたげ。用務員と上級職女性との間に言葉の壁はなくなり、両方ともケーララ人。メインの舞台はトリヴァンドラム。過去編はバラけて第一期パーラッカード、第二期アレッピー、第三期は西ガーツのどこか。宗教もヒンドゥー、キリスト教、イスラームと、一~三期にキッチリ割り振られる。そして4つの挿話の主人公は同一人物と主張する脚本。しかも上級職女性ラクシュミと同じ名のキャラクターが第一期に端役として出てくる。そんなに分かりやすくしていいのか。全編を通じ映像美が追求され、パーラッカードの自然、アレッピーの最終シーンなど美しい。演じ手もみな良くて、娼婦を演じた久しぶりのアヌシュリーが特に印象的。上級職女性に見た目がいい人をキャスティングしたことで甘ったるくなった。