Maaman (Tamil/2025)を川口スキップシティで。
観客は30人弱。ティルチのスイーツ製造業の家の息子インバは姉のギリジャを常に気にかけている。教師の姉は結婚後10年経っても子供ができず、肩身の狭い思いをしていたがついに妊娠し男児を授かる。彼は姉に付き添って訪れていた産科医のレーカと恋仲になり、5年もの交際期間の後に結婚する。しかしインバと甥のラッドゥとの間の絆は実の親子よりも堅く、夫妻は新婚初夜を迎えられず、新婚旅行にも行けない。レーカはマドゥライに転勤になり、夫と共に移住し初めて普通の夫婦生活を送り妊娠する。しかしティルチの家ではギリジャがラッドゥをなだめるためインバを亡き者として祀っている。これを知ったレーカとギリジャとの間での激しい口論。姉と弟の間、叔父と甥の間のトキシックな愛執、またやっと授かった子供への溺愛が大家族の中でどのように作用するかを観察する人類学的考察を誘うかのよう。また激情を200%迸らせるタミル的な感性の出力が病院という場で2度も繰り広げられるのもすごい。「その我儘すぎるクソガキを何とかしろ」で終わってしまいそうな話を150分のメロドラマにする文化。