Thangalaan (Tamil/2024)をNTFLXで。
1850年のアールコート北部のパライヤ―、タンガラーンは地主に無体に土地を奪われ農奴となり、英国人官僚で探検家のクレメントの隊に加わり金を探す旅に出る。彼の曽祖父カーディヤンはラージャに命じられて悪霊が守る秘境から金を持ち帰った伝説の人物。カーディヤンは魔女アーラティを倒し、彼女の腹部から出た夥しい血潮が金に変わった。しかしその過程で、アーラティの幻術に腹を立てたラージャはその地にあった仏像の斬首を命じていた。タンガラーンは苦難の末にその仏像を掘り起こし、別の場所から引き上げた頭部と合体させる。すると仏像の足下から一握りの金塊が生じる。洋服を与えられ騎馬で一人村に戻ったタンガラーンは、村人全員を引き連れて再び採掘場に戻る。そこでは打って変わって村人が奴隷のように扱われていたが、タンガラーンだけは功績をかわれてリーダー格でいられた。しかし岩の裂け目の奥深くに巨大金鉱が見つかったところで英国人の態度が変わり、手に持てるだけの金を持ち帰ろうとした村人たちを襲い始める。その混乱の中でタンガラーンは金塊と見えたものがただの石であ(続)
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ることに気づく。アーラティの現世の生まれ変わりである女が襲来し、彼女は彼の前世の記憶を甦らせる。5世紀の彼はアーラティの夫であるアーラン王だった。アーラティはタンガラーンに金から手を引くよう求めるが、彼はトライブが尊厳を取り戻すためにどうしても金が要るのだと言う。戦いの中でクレメントは彼女の腹部を切り裂く。怒ったタンガラーンはクレメントを殺し、黄金はトライブのものとなる。パー・ランジト一味の仏教趣味が全開のファンタジー。仏教からヒンドゥー教への改宗を拒んだ者たちがダリトの身分に落とされたという空想的な学説にロマンを感じ結構信じてるっぽいのにむず痒さ。MHと違いサウスの場合ダリト改宗者の大部分がキリスト教徒になる状況下で、身近な生活の場での仏教信仰の実践を見ていないから、古代ロマンに走ってしまうのか。洋服を着て誇らし気なタンガラーンはやや滑稽に描かれるがあれはアンベードカルの三つ揃いスーツとは異なるのか、ナーガ族はトライブ、タンガラーンたちはダリトで、両者の断絶と再結集がメインテーマなのか。エンディングでKGFの歴史的な写真。