Maagh (Kahmiri/2022)をイスラーム映画祭で。
拓徹氏の解説付きで。映画自体は謎解き的な面白さを持つ。最初に出てくる無名者墓地に担ぎ込まれた新しい死体は劇中の誰のものなのか、あるいは誰のものでもなく毎日のありふれた情景として移されたのか。墓掘りの爺さんはその後も時々思わせぶりに脇で主役たちを眺めているショットがあった。夫が突然に釈放されたのは、解説によればやはり異様なことなのだった。定期出頭でトラウマをいじられるのも計画のうちか。上官が「土産が欲しい」と言うところ、最初は女房を差し出せと言っているのか、あるいは高価なショールを上納せよと言っているのかとも思ったけれど、後に続く「出世に縁がない」という台詞により、そうではないことが分かる。その出頭の時点でではなく、夫の釈放の時点から密告を強要したものだったのかと推察できる。劇終後のセッションでは昨年来のカシミールを扱った欺瞞的作品とリアルな作品の対比。ひとつ前に上映されたパレスチナに関する作品も前者に分類されるものだったようで、しかし専門家のトークを聞くまではそうとは判断できなかったと拓氏。こういう問題はどこにもついて回る。