Ibbani Tabbida Ileyali (Kannada/2024)をオンラインで。
回線が細く倍ぐらいの時間をかけて見た。タイトルは「露に抱かれた大地」か「大地を露に抱かれしめよ」なのか。富裕層男女の恋愛だが、その豊かさが奢侈品などに現れるのではなく、文学を愛好するようなソフト面に表出されるのがいい。プレーム監督あたりからの「愛とはなにかしら」テーマが非常に洗練されたものになった。少女趣味とすら言えるほどの純粋ロマンスで、現実の汚濁と距離を置くために、ベンガル人、ワイナリー、ゴア、サッカーなど、現実感のないモチーフを散りばめた。バンガロールの街路も全然バンガロールらしくない。ヒロインは詩の他にワイナリー経営の夢も持つが、葡萄にはインド映画が糾弾してやまない飲酒の悪は紐付かない。年長者にはモラルの先導者としての役割はなく、全てがリードペアの主体性の中で決まる。ヴィハーン・ガウダはヴィジャイDに似てるけど、もうすこし誠実そうな感じが出せる。アンキター・アマルは最初は子供じみたヒロインに見えたけど、物語が進むにつれ、子供をから大人までを演じ分けていたことが分かる。ダンスの振付もいい。