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『侍タイムスリッパー』(2024)をキノシネマ神戸で。 

自主制作がまさかの全国公開にまで至った怪作。確かに脚本が流れるようで見事。2時間11分と邦画にしては長い方だが、スルリとした喉越し。幕末の騒乱の時代と現代を対比させるのは効果的。その対比の小道具が白米の握り飯だったり、ショートケーキだったりすることからは「スイス300年の平和が何を産んだ?」というセリフを思い出すなど。クライマックスの真剣勝負は、昔の大河ドラマ(何だったか忘れた)でのアメリカ人に見せるための剣術試合を真剣で行ったというエピソードを思い起こさせた。あれは実話に基づく場面だったのかどうか。日本人が出身地域によっていがみ合い・殺し合いをしたのは幕末〜戊辰戦争期が最後だったのだなと感慨。それにしても「カメとめ」といい本作といい、保守本流の大作ではなく、映画についての映画というメタな作品が大評判&ブームになることには複雑な思い。某国との違い。韓流時代劇を見た後と同じく、主演格俳優のオフの写真を検索して劇中との落差でジンジンくる感を味わうなど。竹光であることが分かっているチャンバラを見る安心感の中に真剣勝負を入れた緊張感は秀逸。

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