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Joyland(Panjabi/Urdu/2022)をシネリーブル神戸で。 

邦題は『ジョイランド 私の願い』。夕方回なれど客は自分含め4人。しばらく前にどこかで知らない人が「生きづらさばかり描く日本映画に倦み疲れていると、インド映画の豪快さにせいせいする」という意味のことを書いていてなるほどと思ったのだけど、まさにこれはパキスタンの古都に住む中流家庭の成員たちの生きづらさを描いたもので,南アジアからもこういうものが出てきたかという感慨。クイア映画として宣伝されているが、生きづらさを感じているのは必ずしも性的少数者だけではない。主人公にあたるハイダルは、繊細でインテリ臭も漂わせるが、優柔不断なところもある静かな男。妻がありながらムジュラーを生業にするヒジュラーと付き合うのだが、彼がバイであることが明かされる場面が衝撃的かつ悲しい。監督によれば、自分の求めるものが何かわからず混乱している状態。全体的に暗さと汚れをリアルに描き、その中に美を見出す美学が貫かれる。カットアウトをバイクで夜に運ぶシーンが美しかった。論評しようとすると生真面目になるしかなく、茶化しながら愛することはできない類の一作。

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