For a Few Dollars More (Italy/1965) をオンラインで。
邦題は『夕陽のガンマン』。英語字幕付き。この歳になって初めてマカロニ・ウエスタンを見た。昔から残虐シーンが多いなどと聞いて敬遠していたけど、何のことない、南インド映画なんかと比べれば子供だまし程度のものでしかなかった。「マイボーイ」の出元だということも分かった。まあでも確かに、空気感などがアメリカのものと微妙に違う。そして人情や情念の描き方、正義というものの捉え方、古典西部劇とは全然違う。デモーニッシュなまでにとことんスタイリッシュさを追求するところにはオタクっぽいものまで感じる。これらすべての底にあるのはニヒリズムのように感じられるが、どうなのか。大佐の回想のトラウマシーンなどはもう少しうまく説明する映像にできなかったのかなどとは思うが、悪役がヤク中というのが分かるところがカットされていたためか。誇り高いヨーロッパ人が、アメリカの辺境の時代劇を、各国からの寄せ集めのチームで撮るという不思議。もしも時間に余裕があったなら、この映画史上の極め付きに奇異な現象の裏にあったものを追いかけたいところだった。