Aadujeevitham (The Goat Life) (Malayalm/2024)を川口スキップシティで。
相当な人出、埋まり率は65%程度、日本人は20人程度か。実話ベースのサバイバル映画。1990年代(推定)にマラバールの田舎から半ば騙されてサウジ(推定)に連れていかれて奴隷労働を強いられた男の脱出記。最初から騙されたのか、単に杜撰な受け入れ態勢と運の悪さが重なったのかはよく分からない。アラビア語もヒンディー語も英語もできずに出稼ぎに行く根性は凄いと思うのだが、まともに行けば現地ケーララ人に囲まれてそこそこやっていけるのだろう。緑のケーララとアラブの砂漠の対比はあざとい。故郷が美化されすぎている気がするが、誰に向けて作られた映画かを思えばやむないか。ヒロイズムの欠片もない主人公がマラヤーラム語映画的。彼を助ける人々はイブラヒーム、富豪、マラバール食堂の主人と、まるでリレーのように現れる。神がまるで割り当てたように、自身のできることだけをやって去っていく。ストーリーは一直線といっていいくらいのもので、演技とカメラワークだけで見せる。こういう作品がヒットするケーララはやはり特殊。