Article 370 (Hindi/2024)をシネ・リーブル池袋で。
仮邦題『憲法第370条』。あっぱれなまでの選挙用プロパガンダ映画。冒頭ナレーションでカシミール小史が語られるが、「マハーラージャはインド帰属を望んだ」というところでもうアウト。ただ、そっくりさんショー(Mehbooba Mufti、Farooq Abdullah)から始まり、ブルハーン射殺、プルワーマーのCRPF40人を道連れにした自爆攻撃など、事実の織り込み方が上手い。そしてモーディー、アミト・シャーを陰で支えたのは超優秀な実務官僚とコマンド―、その両方が女性だったという設定はキャッチー。実務官僚はタミル人(2回ほどタミル語を喋るシーンあり)、コマンド―はカシミール人ムスリムで、過去に政争で父を殺された人物。Raaziと同じく、カシミール人女性に愛国的行動をさせるというメソッド。それにしても、ファックスを受け取らなかったことにするなどの姑息な戦術が堂々と描かれるのはすごい。JK憲法の書き換え痕跡を求めて現地図書館にというエピソードは創作なのかどうなのか。末尾で平和をアピールするのに初のシネコン開業をいれるあたり。