Ayalaan (Tamil/2024)を川口スキップシティで。
ポンガルの祝祭シーズン向けファミリー映画、というか子供映画。妙に評判がいいのだが、実見してあまり感心しなかった。Sparcという謎の宇宙物質を手に入れた悪徳実業家がそれを使って地球の最奥部まで掘り進めて資源の独占を図る。それを捜しに地球にやって来たエイリアンがお気楽農業家の主人公と共にそれに立ち向かうという話。子供向けのSFなのに全然科学的じゃないんだな。主人公は田舎で自然農法を実践する人物という設定。農薬の使用を拒むだけではなく、あらゆる動物への加害を認めない。つまりベジタリアンなのだと推測される。従って悪役との戦いにおいても人は殺さない(自滅して死ぬ人物は出てくるが)。その辺りが土台として弱いところ。エイリアンの能力、エイリアンと何らかの接触をした人間が獲得する能力、そして悪役が開発する高性能ロボットの能力などが場面場面でご都合主義で変わる。シヴァカールティケーヤンは持ち前の「お歌のお兄さん」的アピアランスがまさにはまっている。サプライズのプレゼントを演出する会社が脱法行為を前提としている点など、細部の詰めが甘すぎる。