Jigarthanda Double X (Tamil/2023)をイオンシネマ市川妙典で。
客入りは20人程度。トレーラーだけだとSJSのいつものレトロ婆娑羅コメディー(年代設定は1973年)かと思うけど、全然違ってた。ヤクザの親分を騙くらかして、伝記的映画を撮ると言って近づいていくというプロットは前作と同じだけど、今作では監督もフェイク。気の弱い警官の卵がマドラスの政界と繋がりのある悪徳警官に脅されてマドゥライの名うてのギャングに近づき、サタジット・レイ・スクールの映像作家と身分を偽り暗殺の機会を伺うが、ギャングの身重の妻が怒って里帰りしたためギャングと共に山中のトライブ集落に行く。そこで横行するゾウの密猟、密猟者狩りの名目での警察のトライブへの暴虐を目の当たりにしてギャングも映像作家も社会正義かに目覚め、映像によって世に訴えることを考える。政治風刺とレトロと思ってたら途中からプラブ・ソロモンになり、その後マーリ・セルヴァラージになる。トライブ集落殲滅の凄まじいシーンはバリ島のププタンを思い起こさせた。ローレンスがシヴァージばりの滔々たる演説をやってのけるシーンには目頭が熱くなった。