Sumo Didi (Hindi/2023)をTIFFで。TOHOシネマシャンテにて。
邦題は『相撲ディーディー』。女性が主役のスポコンの定石を踏まえながら巧い造り。外聞を気にする母を一括する父がヒーローだが、その父が母に謝りながら叱るというところが良かった。恋愛の描写は余計かとも思ったが、その後の展開が自然になった。ヒロインが相撲の道に進むことを決意したあとすぐに国際大会に出るというのは、要するに国内では他にライバルがいないということか。そして国際大会で対戦する相手がお決まりだというのはやはりそういうことか。元横綱(髷を結ってたが)タオシを演じた俳優(舞の海を思わせたが誰なのか不明)、それに日本でのロケ地が気になった。ダルマさんが出てくるところは、単なるエキゾティックなマスコット扱いで痛恨。開眼の儀も早すぎる。相撲取りをどのようにイジっても構わない笑いものとしか見ないインド映画人の平均値からすると、多少の勘違いは許容したくなる。モデルになったムンバイの女性が被った嘲笑・偏見は想像するに余りある。トレーニングはあまりにも精神性を強調しすぎるきらいがあるとは思ったが。中国風のBGMは微妙。