Varisu (Tamil/2023)を川口スキップシティで。
ヴァムシ・パイディパッリ監督+ディル・ラージュがヴィジャイと組むという異色の顔合わせだが、世評通りまんまテルグ映画だ。ヒーローの首だけヴィジャイにすげ変わってるような異様さ。またはヴィジャイのテルグ語映画初主演作のタミル語吹き替え版か。ビルが林立する町の風景はハイダラーバードに見える。メインの舞台も例によって会員制の超高級リゾートみたいだし、室内はフラワーショーか何かだろうかという非現実感。最高級ファッションの展示会でもある。KGFみたいな鉱山と荒くれ沖仲仕のいる港湾のシーンは刺身のツマ程度のもの。大企業オーナーの3男が自由を求めて家出するが、末期癌が判明した父のそばにいるために帰還して、企業トップの座を継ぐ。上の2人の兄はそれに怒り父に敵対してきた企業人と手を結び、一家は瓦解する。末っ子は機転と誠意とでライバル企業を打ち負かし、兄たちの心を溶かして一家の和合を取り戻すというストーリー。既存作ではAla Vaikunthapurramlooが一番近いか。シュリーカーントとシャームの脇役ぶりに涙。テルグとタミルの違いのお手本。