Opium (Hindi/2022)を東京国際映画祭で。
邦題は『アヘン』、会場は銀座の丸の内TOEI。上映後は監督QAセッション付き。①暴動(ヒンドゥーvsムスリム)、②盲目、③木材(クリスチャン)、④焼き飯(ムスリム)、⑤花びら(ヒンドゥー&ムスリム)の合計五編からなる。ハードなストーリーからハートフルな寓話へという構成。久しぶりの芸術映画。①暴動はQAでも言及されていたがマントー的な苦さを持つ。②盲目は芸術映画でしかお目にかかれない中二病的映像世界だが、深みはない。QAで監督は自身を無神論者的と言っていたが、いかにもな作劇。⑤花びらの撮影地となった寒そうな町の名前を知りたい。少年が毎日8時に耳にする騒音と叫び声は何だったのか最後まで分からず。③木材が一番良かった。あの吝嗇な壮年の男はクンチャコと呼ばれていて、ケーララのシリアン・クリスチャンがルーツと思われる。葬儀を簡素に済ませるために改宗するという発想が非常に笑えた。それは言い換えれば彼の地のリベラルが口にする「すべての宗教は同じところをめざしている」と響き合うのだ。しかもそれを「パパが地獄に行かずに済むように」と言いくるめる妙。