Ponniyin Selvan 1 (Tamil/2022)がなぜそんなに良かったかというと、
ただもうカラリとしているからなんだと思う。近世以前のタミルの爽やかで闊達な空気感。どろどろした人間関係や凄惨な戦闘の描写はあるが、カールティのキャラクターがそれら瘴気をすべて浄化してしまう。キン肉マンショーをする男がほぼいないのも画面の清澄さの理由。翻って最近のヒンドゥー教絡みのファンタジー小説(特にAmish Tripathiのもの)はなぜああもドス黒い色味を強調し、ボディービルダーが正面に描かれるビジュアルに走るのか、そして映画でもそれと同じ路線に走ったものが多数。あれが正調となってしまったら嫌だ。