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『トゥルー・ヌーン』(タジキスタン、2009)をアテネ・フランセで。 

原題も「True Noon」。福岡市総合図書館所蔵作品アジア映画セレクションの東京出張上映にて。某研究会行事として一度は顔出ししておかなければならなかったのもあって。しかしどうも驚きのない予定調和のストーリーにデタッチ気味だった。国境の非情さと、その裏に隠れた戦争の非人道性を告発するものなのだろうが、寓話としてはあまりにも単純で、作られた悲劇の作為性が鼻につき、さあ泣けと言われている感。むしろ、郵便局でもめ事を起こすヌスラットの不平青年のキャラに注目したくなるのだが、この人物は途中からただのモブになってしまう。わざわざ寓話で悲劇を創作しなくとも、世界は個別の悲劇に満ち溢れているのに。ただし、背景を知らないから平板なものに見えてしまっている可能性は大いにある。『ワールドシネマ・スタディーズ』という書籍内には、「トゥルー・ヌーン タジキスタンの国境問題と地雷問題:ソ連時代からの負の遺産」という分析があるとのことで、いずれ読みたい。このエッセイも参考になった。jcas.jp/13-2-36_jcas_review_ok

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