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王の涙 -イ・サンの決断-(역린、2014)をオンラインで。 

韓国文化院提供の映画特集で。3月に見た『王の運命 -歴史を変えた八日間-』の続編ではもちろんないのだが、ちょうど綺麗に歴史の連続をカバーしている。壬午士禍での思悼の米櫃餓死事件の背景の解釈もまあ違ってるし(本作では英祖はやむなく実子である思悼を殺したという筋立て)、『運命』の方では貞純王后は不思議なほど賢い女性として描かれているのに対し、こちらではメインの悪役に近く、典型的なファム・ファタールの演出。基本的には血腥い宮廷クーデタの一部始終を時系列で追うだけなのだけれど、「●時間前」などというテロップが何度も出て、息苦しさが尋常ではなく、休み休みやっと観た。王一人を守るために/殺すために、庶民階級が無数に死ぬ。この感じは『イワン雷帝』のそれに近い。あれは様式化された歌舞伎なので安心して見ていられるが、こちらはただ重苦しい。『中庸』二十三章の引用はとても効果的でラストに繰り返されるところが感動的。キーパーソンである忠臣が尚冊(図書の者)であるというのもくすぐられる感覚がある。それをもってブロマンスとか言ってしまうのはどうかと思う。

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