Etharkkum Thunindhavan (Tamil/2022)をイオンシネマ市川妙典で。
小さい4番スクリーンではあったものの、久しぶりに満席に近い客席。正調マサラ映画らしいという以外の予備知識はほとんどなく見て、女性への性暴力への告発の世直し映画だと知った。しかし恐ろしくオールドファッション。Kadaikutty Singamの監督と思い出せればもっと用心していたが。ケダモノのような性犯罪者の成敗と、カラフルな田舎の人情譚的ロマンスを混ぜようとして全然混ざらずちぐはぐなものに。スーリヤは弁護士として登場するのだが、法を武器にした戦いはほとんどせず、肉弾戦をしているか、ヒロイン相手にトリックスター的なおイタをしてるかどっちか。ダンスシーンでは鍛え上げた筋肉が邪魔をしていた。大体悪役がヤバいビデオをアップするとか言ってるのに新婚初夜のウキウキダンスを踊ってるとか、どうかしてるんじゃないのか。またその悪役が弱い。商売でやっているのではなく、政治家の甘やかされた変態息子という設定なのだが、それならもっと親父の権力を笠に着る描写がないと。冒頭での古譚的な北村と南村の争いという設定も不発。