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Pudhupettai (Tamil/2006)をDVDで。 

無字幕DVDにネットで拾った字幕データを合成して自家製ディスクを作るという手間をかけてやっと鑑賞。7G Rainbow ColonyやKadhal Kondeinと共通のドス黒い心理描写と象徴的な夜の描写で覆い尽くされている。北チェンナイのダリト少年が辛酸をなめ尽くした末に、埋もれていた異様な身体能力を発揮して殺しを行い、政治家の手足となって汚れ仕事と資金調達で重宝されるようになるが、政界のパワーバランスとギャング界の力の均衡の両方を破ったために孤立無援となる。よくあるギャング映画なら、そこで主人公が殺されて終わり、ある種の教訓物語となるところだが、最後にセルヴァラーガヴァンらしい捻りを加えて、これがNGKを予告するものとなっている。特に政治家の二枚舌をどぎつく演出するところが秀逸。最初の方で街に放り出された主人公が、喉の手術をして声が出ない病人を装って物乞いをし、最終シーンではタミル特有のあの政治演説のレトリックや節回し(中身はない)をマスターしているというのは、綺麗に符合している。実在の地名を歌い込んだ最初のソングがいい。

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