フォロー

イルマーレ(시월애、2000)をオンラインで。 

韓国資本で作られたイタリア舞台の映画と勝手に思い込んでた。しかし、ミニマリズムSFだと分かり吃驚。おしゃれ過ぎる東アジア映画には悪酔いする質だが、本作の舞台となった海辺の家は、住居としては実際にありえないことは分かっていながらも、幻想的な雰囲気の演出が見事。仁川の江華島の沖合の小島で、席毛島というところだそうだ。ソウルで暮らすヒロインが足しげく訪れるという設定は無茶なものではなかったことになる。タイムワープSFというとギャーンと大規模なものを想像するけど、たった一個のポストが時空のゆがみを作り出すという発想がすごい。手紙だけが行き来できる。あれ、犬は…とあとから気づくところも含めてイイ。もうひとつの海辺の家は済州ということで、これも見事。ダッさいリゾートでも人や人工物が写り込まなければお洒落になりうるとい見本か。たった2年のずれで、手紙のやり取りはあっても平行線をたどり続ける男女の関係は、男の方は女の指示によって女の過去を目撃できるが、逆はできない。女はいつでも先回りできるが、眺められるのは男だけという不思議さとその関係が最後に逆転する妙。

ログインして会話に参加
映画ドン-映画ファン、映画業界で働く方の為の日本初のマストドンです。

映画好きの為のマストドン、それが「映画ドン」です! 好きな映画について思いを巡らす時間は、素敵な時間ですよね。