Kummatty (Malayalam - 1979)を東京フィルメックスで。
邦題は『魔法使いのおじいさん』。今年になってデジタルリマスターされた映像。最初に見たのは何十年前だったか。前半のイメージはかなり鮮烈だけど、後半のワンコの熱演部分は全く覚えていなかった。久しぶりのアラヴィンダン、寝てしまうのが怖かったけど、歌あり踊りありで眠くなることはなかった。あの茫漠たる平原はケーララのイメージじゃなく、むしろカルナータカのものだけど、ロケ地はどこだったのか、ちょっと調べただけでは分からなかった。上半身裸の老女は今にして思えばトライブの女性だったと分かるのだが、中盤にちょっと出てくる子供のテイヤムのようなのはどこのものか分からなかった。子供にとっては空恐ろしくもあり魅力的でもあるBogymanの小父さんは、同時に生身の人間でもあり、体調も崩すし、髭は床屋にあたってもらったりもする。それでも立ち去り際にはすごい魔法をかける。当時のものをそのまま使ったという字幕の監修者として伊藤正二氏の名前があってジーンとする。あの動物の面をつけた門付け芸には名前があるのか、それとも映像作家による創作なのか。