Koozhangal / Pebbles (Tamil/2021)を東京フィルメックスで。
邦題は『小石』。父が息子を学校から連れ出し、実家に逃げ帰った母を連れ戻すためにバスで出かける。途中のエピソードは、水瓶を3つも持って乗り込んでくる年配女性、父の吸う煙草が煙いと揉みあいを始める男、乳飲み子を抱えた不動の女性など。母の実家に着いてみると、母は既に置いてきた子供を心配して家に戻った後だった。母の親戚と掴み合いの喧嘩をする父。父はすぐに戻ろうとするが、息子は反抗心からバス代の紙幣を破ってしまう。逃げる息子を父は追い、捕まえて折檻する。そして家までの長い道のりを歩きだす。途中のエピソードは、鼠を捕って食べる極限の人々との出会い、教師のバイクに息子だけが乗せてもらう、父が怪我する、犬がついてくる、それぐらい。やっとのことで家に帰りつくと、妻は水を汲みに出かけたところ。泥の水たまりのような水汲み場で、自分の番が来るのを延々と待ち続ける女たちのショットで終わり。息子が口に小石を入れるのは、極端な渇きに襲われた時にそうすると、唾がでて渇きが和らぐからだと上映後のQAで知った。家には小石の山がある。