Chola (Malayalam/2019)をオンラインで。
2019フィルメックスで『水の影』の邦題で上映されていたのを必要に迫られてやっと。一本も見ていないシャシーダランを、なぜかグロ映画を撮る監督と思い込んでいたけど、そういう意味では問題なかった。Kappellaとかが描いた問題の大本はこれだったかと今更ながらに眼が覚めた。ニミシャとジョジュの演技は鳥肌もの、共同プロデューサーにジョジュと共にカールティク・スッバラージが加わっていたと知り吃驚。後半でのヒロインのやや不可解な行動は、錯乱からというよりはある種のストックホルム症候群だろうかとも思ったのだけど、後から監督のトークを読んで、もっと身も蓋もない理由だったのだと知りどんより。それからレビューを漁るうちに、ラーマーヤナと関連付けるものに当たり、膝を打つ。最初と最後に現れる尤もらしい寓話も、最後に大地が身を震わせるというのを考えれば確かにそうだ。ただ、寓話という考えが浮かばないほどに、キリキリするリアルさが全編を貫いている。特にクライマックスの圧倒的な水の存在感。源氏の宇治十帖のもの恐ろしい滝の音」というのを久しぶりに思い出した。