C/o Kancharapalem (Telugu/2018)をオンラインで。
ヴァイザーグのカンチェラパーレムという地区での人間模様を描く。冒頭の街頭スナップのコラージュを見るだけでここが「若いもんには辛い」系の街区であることが分かる。様々な登場人物が紹介されてしばらくはとりとめがないが、やがてそれが4つの恋物語だということが分かる。明示されたダリト性はないが、解説を読めば、カーストまたは社会的ステータスにおいて女性が高位、男性が低位という組み合わせ(微妙な1ペアを除き)ということが分かる。各ペアの男性は特定の時点で信仰と決別する。最も中心的な49歳の用務員が、女性講師に対して「自分は神を信じない」といってお寺参りを拒む(同時に講師の参拝を親身になって助ける)のは、最後の最後になって種明かしがされる。4つの物語は同時並行ではなく別々のものだったのだ。70年代の少年、80、90年代の青年、現在の熟年という風に。70年代の少年が現在の熟年と同一人物なのは様々な符号から分かる。80、90年代の青年たちは必ずしも同一ではなく、象徴的な次元での系譜なのだと思う(しかし二人の外見は結構似ている)。