Victoria & Abdul (2017)をNTFLXで。邦題は『ヴィクトリア女王 最期の秘密』。
米英合作作品でインド映画ではない。気になってたけど映画館に行くほどでもなかったのをやっと見られた。それにしてもアリ・ファザルの起用の意味は何だったのか。歴然と色悪の顔をしてるんだけど、その実在人物とは全く似てない色悪顔が、アブドゥルというキャラクターの解釈を難しくしている。低い身分からのし上がるためになんでも利用する策略家なのか、生まれや育ちとは無関係に天性の詩人だったのか。そして、女王が認めたウルドゥー語の日記が後世にアブドゥルの回想録と照合されてその裏付けとなるとか、どれだけ女王の語学力が凄かったのか、アブドゥルの教え方が上手かったのか。とはいえ、二人の交流は中断を挟みながらも10年以上続いたのだからあり得ることか。元になったノンフィクションの方がよっぽど読みたくなってきた。とはいえ、女王の臨終シーンは迫真的で感動的。「落ちていくよう」という女王に対して「身を任せて落ちればいいのです。安息に向かって」という意味の言葉を返すアブドゥルには、確かに師に相応しい洞察と不動の精神があった。