The Great Indian Kitchen (Malayalam/2021)をオンラインで。
パワフルで、ヒリヒリとして、タフで、ハードコアなファミリー映画。ミソジニー批判が大爆発のメッセージ作品で、見事な出来だが、好きかと言われると全く宜えない教育的ドキュメンタリーに似た一本。この数年、マラヤーラム語映画で特に目立つtoxic masculinity批判のテーマ。Kumbalangi NightsやIshqなど秀作も多い。それだけ男性の側にも疲弊が募っているということなのか。家事労働マシーンとしての単調で過酷な昼と、セックスマシーンとしての同じく辛い夜の繰り返し。OTTリリース前提だったのかインターミッションに当たる部分がない。ただし後半に入ってシャバリマラ巡礼のモチーフが加わることによって一気に政治性と社会性が加わる。撮影はヒロインの背後に貼りつくような徹底的なリアリズム。開始間もなくの旨そうな料理の数々がやがて食べ残しと詰まるシンクと汚水溜めに取って代わられ、その臭気が感じられそうなほどになる。超保守的な人々の間にもFacebookが広まり、監視ツールとなっていことなど痛烈。