Nerkonda Paarvai (Tamil/2019) をオンラインで。
テルグ版が上映されると聞いて、慌てて見た。テルグ版はヒンディーのオリジナルよりも、こっちから持って来てるんじゃないかという気がしているから。予想通り余計な枝葉がついて、オリジナルに20分プラスされた156分。公園とガレージでのよく分からない格闘と、いくつかのソング、それに亡き妻とのセンチメンタルなエピソード。しかしまあ、無理筋と思われたアクションの入れ方は上手い。オリジナルではバッチャンは認知症の初期症状らしきものを暗示していて、実はそれが一番のスリリングな要素だったりしたのだが、アジットの場合は双極性障害というのに変わってた。主役の女性のサブにムスリムとNE人というマイノリティーを配したのは原作に同じ。ヴィディヤのパートはどういう風に解釈していいのか悩む。出産という大事に望んで殉じた聖なる母性という扱いなのか。いずれにしてもあまり感心しなかった。法廷でのアジットの話術は見事。役名がバラット・スブラマニヤンというのは、スブラマニヤ・バーラティへのオマージュ。スーパーヒーローぶりの誇示とテーマとの危ういバランス。