Drishyam 2 (Malayalam/2021)をDVDで。
ケーララの兄ちゃんがどうしても見て欲しいと言ってきた。パート1から6年後という設定。実際の年月の経過に揃えたのかと思ったけど、前作公開は2013年だから、8年たってるはずなんだけど、2015年ヒンディー語版のことが念頭にあったのか。まずは次女の成長ぶり(あたりまえなのだが)に驚き、そして絵に描いたようなリアルな反抗期ぶりに笑った。全体の調子は苦渋に満ちたもので、一家がトラウマに苛まれ、また警察による再度の取調べの恐怖と隣り合わせで生きていることが克明に描写される。これは世の完全犯罪クライム映画のハッピーエンドに対する辛辣な批判となっている。この棘を抱えながら死ぬまでを過ごすことが、理由は何であれ人を一人殺したことの罰なのだという明確なメッセージ。トリックにはやや苦しい部分もあったが、それを劇中人物に「かなりリスキーだ」と言わせて、あらかじめ批判を封じる手腕。これほど苦悩に満ちたモーハンラールを見たのはChenkol以来の気がする。白骨はDNA鑑定できるが、遺灰になってしまったらそれはできないというのを後から調べて知った。