Master (Tamil/2021)を川口スキップシティで。
館内の治安はまあまあ許せる限度内。本作でもローケーシュ・カナガラージの癖が面白かった。それは意地でもロマンス描写に時間を使わないぞというのと、主人公が抱えたトラウマを、通常のタミル映画のような親切仕様フラッシュバックでえ丁寧に描かないというの。VJSはこれまでのヴィジャイ映画の最凶悪役か。アンドレヤのキャラの位置づけは不明ながらカッコいいシーンがあって良かった。シャンタヌ・バギャラージの面変わりに驚く。チェンナイなのかナーガルコーイルなのかよく分からない場面あり。ヴィジャイはもしかして初めて本格的に脱いだか。ボリウッドの人造速成筋肉の塊と違って非常に美しい仕上がりだと思った。子供たち以外にも、意識的に背の低い俳優が集められたのか、俯瞰撮影の工夫があったからなのか、屹立するヒーロー像が強調されていたように思う。最後のメッセージ「子供たちが武器をとることがないように1人で戦う」は素晴らしいが、ある一線を越えてしまった犯罪者は、犯罪の理由がその生い立ちにあろうとも死ななければならない、というリアリズムも示した。映画からの引用多し。