Iraivi (Tamil/2016) をDVDで。
3年ぶりぐらいの2回目。以前見た時に何らかの感想を書きなぐったと思ったのにどこにもない。せんじ詰めれば女性の受難を描く作品であるのだけど、それをTVシリアルのようなメロドラマにするのではなく、男たちの破滅の物語として描いた点が素晴らしい。ただ、SJスーリヤのパートはこれでもかと言うぐらいに執拗にイタくて、ちょっと息苦しくなる。登場するほとんどの男たちが犯罪を犯すのだが、犯罪を犯すのと引き換えに守りたいものというのが、やはり冷静な目で見るとそれに値しないものであることがハッキリ分かる。まあそれにしても、この入り組んだ筋の中心をなす「カンナギと悪魔」というのが釈然としない。現代のタミルのヒンドゥー教信仰ではカンナギというのはややマイナーな女神のはず。美術品を買いあさる外国人に対するアピールなら、カンナギと言うよりは「チョーラ朝のブロンズ」などと言うはず。そして古代のカンナギ物語には、「悪魔」に代表される怪力乱神の類はほとんど出てこないのだ。このあたり、映像作家がカンナギに込めたメッセージを知るためにもう少しレビューを漁らなければと思った。
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@PeriploEiga カンナギが前面に出されたのは、結局「カンナギがconsortではないから」に尽きるのかも。コーワランはいかなる意味でも神格化はされなかったから。ケーララならバガワティになっていた。タミルでなら単独神としてアンマンというのもあったが、アンマンにはあまりに色がつきすぎていたため避けられたのか。