Sufiyum Sujatayum (Malayalam - 2020)をUSAPで。
監督が死んだというニュースから入った作品。カンナダ語を話す住人もいる西ガーツ山中の村にやって来る若い男。スーフィーとのみ名乗り、アザーンで美声を聞かせるが、祈りの最中に息を引き取る。その男と過去に愛し合い、今は見合い結婚をしてドゥバイに住むスジャータが葬儀に駆け付け、その過去が明かされるという物語。久しぶりに現れた本格的イスラーミケイト作品。まず、風景が霊的なオーラを帯びているようでびっくりする。山奥のようでいて、俯瞰になると美しい平野のようでもあり、どこまでが実写なのか分からないが、言ってみたくなる景色。うっとりとしたいい時間を過ごしたが、批評はかなり厳しいものが多かった。123分しかないのにかなりゆったり感じた、そのテンポが批判されたのか。まあしかし、ムスリム・ソーシャルから一歩踏み込んだ霊的な語りの試みは評価したい。それと何をやっても絵になるアディティ・ラオ・ハイダリのあれこれと、ムスリム音楽の煌びやかさに点が甘くなるのはある。スーフィーが練習したりしている旋回舞踊は、ケーララにも実在するのか?