浮島に生きる人々/Floating Life/Phum Shang (Manipuri/2014)をオンラインで。
山形国際ドキュメンタリー映画祭の副産物としての「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」ドキュメンタリー特集の一本。マニプル州インパールに近いロクタク湖に暮らす漁民と州政府の開発局との戦い。浮島と言うのは比喩かと思ったら、本当に水に浮く草の堆積の上に暮らしているのだった。この浮島は人の手で動かすこともできる。澄み切った湖と白い積乱雲のある空との広がりは、白昼夢のよう。1983年からの開発プロジェクトと2006年の(ラムサール条約批准によってきたる)国内の保護法の制定によって、浮島に暮らして伝統漁法で生計を立てる漁師たちの生存が脅かされる。当局は重機で漁師たちの家を壊すことに熱心な一方で、ダム建設によって湖に流れ込んだ膨大な生活ゴミの堆積には無関心。ゴミの出元を漁師たちだと決めつけて非難する。冒頭の浮島の家が燃えるシーンはシュールレアリズム映画のようだった。