こわれた歌、サビンの歌/The Broken Song/Sabin Alun (Karbi/2015)をオンラインで。
山形国際ドキュメンタリー映画祭の副産物としての「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」ドキュメンタリー特集の一本。アッサム州東部のカルビ人の古謡を映像化したミュージカル・ドキュメンタリー。カルビ族の宗教はアニミズム的祖先崇拝であるのに、その古謡のひとつにラーマーヤナそっくりの筋書きのものがある(それはあくまでも古譚で、創世神話は全く別にある)。その謡いを再現し、現代の風俗の人々が携帯電話や乗用車までを使って演じる。シンタ、ラーム、ロコンの3人が開拓民として森に入ったという部分が印象的。ラボンの妹サビンはやはり鼻を落とされる。そしてこの古謡が「サビンの歌」と呼ばれるのは、その事件以降の彼女が物語から姿を消してしまうのを憐れんでという説明。ホロリとする。