森の奥のつり橋/In the Forest Hangs a Bridge (Hindi, Adi/1999)をオンラインで。
アルナーチャル・プラデーシュ州東部のシアン谷ヤムネ川にかかる300メートルの橋を一定年数おきに作り替え続ける4つの氏族の人々を描く。籐が主材料の橋を作るのに使う工具は刃物だけ。共同体の男たちが総出で無報酬で行う。橋は氏族の責任と自尊心なのだとも語られる。橋が渡されることによって、行動範囲が広がり、農作物や狩りの獲物、より進んだ考えがもたらされたという。つまり人々は籐で橋を作ることによって、共同体を紡いでいるのだ。しかし政府の援助によって、材料の一部にスチールワイヤーを使うようになってきている。また、外界で賃労働をして得た金でコンクリートを買えば、時間当たりの労働に対してより良い結果(堅牢な構築物)を得られるではないかと考える者も出てくる。やはりここにも伝統の保存と成員の幸福とが拮抗する北東の状況が現れている。それにしても、伝統衣装で張り切る爺様方が流暢にヒンディー語を喋るのが印相的。エンディングではヘリがシアン谷を数秒で後にする。ドニ・ポロ神に感謝とのクレジット。