ルベン・マシャンヴの歌声/Songs of Mashangva (Tangkhul, Meitei, 2010)をオンラインで。
山形国際ドキュメンタリー映画祭の副産物としての「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」ドキュメンタリー特集の一本。マニプル州で、伝統音楽を保存し発展させるために孤軍奮闘するミュージシャンの記録。辮髪に民族服でキメながらも、フュージョンも手掛けて、各地の民族音楽祭で披露する。この男と、正調の民謡を歌うステファンという老人との関係は何なのか。キリスト教徒であることは今更やめられないが、教会による伝統音楽への抑圧(20世紀の初頭以降)には断固として戦うという屈折。老人たちが死に絶える前に急いで収集しなければならない。詩の中にとてつもない深みがあるのだという言葉には首肯するしかない。雑談の中でミゾラムにはもう伝統音楽は残っていないと話していたのが衝撃。キースというマネージャー、英語屋さんとして助けるインテリ男、辮髪で学校に通う長男など、寄り添ってくれる人材に恵まれた人であるという気はする。